Terminal をコマンドラインまたはパネルランチャから起動する場合、その振る舞いを変えるためのいくつかのオプションが指定できます。
--helpTerminal がサポートする様々なコマンドラインオプションをリストして終了します
--versionバージョン情報を表示して終了します
--disable-serverD-BUS セッションのメッセージバスに登録しません
--execute ...続くコマンドラインをターミナル内で実行します
--command コマンドターミナル内でコマンドを実行します
--working-directory フォルダターミナルの作業フォルダにするフォルダを指定します
--title タイトルターミナルの最初のウィンドウのタイトルとしてタイトルを付けます
--hold子コマンドが終了してもターミナルをそのままにしておきます
--display ディスプレイディスプレイに指定された X スクリーンでターミナルを開きます。
--geometry ジオメトリ最後に指定されたウィンドウのジオメトリをジオメトリに指定します。ジオメトリの指定方法についての詳しい情報は man をご覧下さい。X
--role ロール最後に指定されたウィンドウのウィンドウロールをロールに指定します。一つのウィンドウのみに適用され、コマンドラインから立ち上げるそれぞれのウィンドウに対して一度ずつ指定できます。大半は Terminal 内でのセッション管理に使用されます。
--startup-id ID最後に指定されたウィンドウに起動通知 ID を指定します。D-BUS サービスを使用している時はこの起動通知 ID を転送するために内部で利用されます。
--fullscreen最後に指定したウィンドウを全画面モードにします。一つのウィンドウのみに適用されます。コマンドラインから立ち上げるそれぞれのウィンドウに対して一度ずつ指定できます。
--maximize最後に指定したウィンドウを最大化します。一つのウィンドウのみに適用されます。コマンドラインから起動するそれぞれのウィンドウに対して一度ずつ指定できます。
--show-menubar最後に指定したウィンドウでメニューバーを表示します。一つのウィンドウのみに適用されます。コマンドラインから立ち上げるそれぞれのウィンドウに対して一度ずつ指定できます。
--hide-menubar最後に指定したウィンドウでメニューバーを非表示にします。一つのウィンドウのみに適用されます。コマンドラインから立ち上げるそれぞれのウィンドウに対して一度ずつ指定できます。
--show-borders最後に指定したウィンドウでウィンドウの枠を表示します。一つのウィンドウのみに適用されます。コマンドラインから立ち上げるそれぞれのウィンドウに対して一度ずつ指定できます。
--hide-borders最後に指定したウィンドウでウィンドウの枠を非表示にします。一つのウィンドウのみに適用されます。コマンドラインから立ち上げるそれぞれのウィンドウに対して一度ずつ指定できます。
--show-toolbars最後に指定したウィンドウでツールバーを表示します。一つのウィンドウのみに適用されます。コマンドラインから立ち上げるそれぞれのウィンドウに対して一度ずつ指定できます。
--hide-toolbars最後に指定されたウィンドウのツールバーを非表示にします。一つのウィンドウのみに適用されます。コマンドラインから立ち上げるそれぞれのウィンドウに対して一度ずつ指定できます。
--tab最後に指定されたウィンドウで新しい一つのタブを開きます。このオプションは他と一緒に使用できます。
--window一つのタブを含む一つのウィンドウを開きます。このオプションは他と一緒に使用できます。
例えば二つのタブがある新しいターミナルウィンドウを開きたいとしましょう、最初のタブでは mutt を次のタブでは mc を実行させて、ウィンドウのサイズは横幅 80、高さ 40 にするとします。その場合は、以下のコマンドで Terminal を起動させます:
Terminal --geometry 80x40 --command mutt --tab --command mc
Terminal はそのデータおよび設定ファイルの場所を探す際に、Freedesktop.org で策定されている基本フォルダの仕様 (Basedir Specification) に従います。従って、各ファイルの位置は、この仕様に記述されているフォルダの相対パスとして指定されます。
${XDG_CONFIG_HOME}設定ファイルを見に行く最初の基本フォルダです。デフォルトでは ~/.config/ になっています。
${XDG_CONFIG_DIRS}設定データを含む基本フォルダのリストで、各フォルダはコロンで区切られています。デフォルトではアプリケーションは ${sysconfdir}/xdg/ を参照します。${sysconfdir} の値はプログラムがどのようにビルドされたかによって変わります。バイナリ配布されるパッケージでは /etc/ になることが多いようです。
${XDG_DATA_HOME}ユーザー個別のデータファイルすべてのルートフォルダです。デフォルトでは ~/.local/share/ になっています。
${XDG_DATA_DIRS}基本フォルダ ${XDG_DATA_HOME} に加えてデータファイルを探す基本フォルダを並べていきます。フォルダはコロンで区切る必要があります。
${XDG_CONFIG_DIRS}/Terminal/terminalrcTerminal の見た目を管理する環境設定が含まれる設定ファイルの場所です。
${XDG_DATA_DIRS}/Terminal/Terminal-toolbars.uiこのファイルにはツールバーのインターフェイス定義が記述されています。ツールバーエディタを使用してツールバーをカスタマイズした場合、Terminal はファイル ${XDG_DATA_HOME}/Terminal/Terminal-toolbars.ui に新しいツールバーのレイアウト情報を保存します。
パワーユーザが高度な設定を行えるようにしたり、ユーザインターフェイスのオプション数を減らすために、Terminal には少しですが隠しオプションがあります。これらのオプションの設定は、テキストエディタでファイル ${XDG_CONFIG_HOME}/Terminal/terminalrc を開いて [Configuration] 以下の箇所を編集する必要があります (もし存在しなければ作成してください)。例えば、terminalrc は以下ようになっています。
[Configuration] MiscAlwaysShowTabs=TRUE MiscBell=TRUE MiscConfirmClose=FALSE MiscCursorBlinks=TRUE MiscCursorShape=TERMINAL_CURSOR_SHAPE_BLOCK MiscCycleTabs=FALSE MiscInheritGeometry=TRUE MiscMouseAutohide=FALSE MiscTabCloseButtons=TRUE MiscTabCloseMiddleClick=TRUE MiscTabPosition=GTK_POS_TOP MiscHighlightUrls=TRUE
これに設定ダイアログで設定されたオプションが加わります。
MiscAlwaysShowTabsTRUE にすると、ターミナルタブが一つだけ開いている場合でも、常にタブヘッダが表示されます。二つ目のタブを開いた時にターミナルウィンドウの大きさをいちいち変更したくない場合にこのオプションが役立ちます。デフォルトは FALSE になります。
MiscBellターミナルのベルを鳴らす (MiscBell=TRUE) か鳴らさない (MiscBell=FALSE) かを設定します。デフォルトは FALSE になります。
MiscConfirmClose複数のタブがあるターミナルウィンドウを閉じようとした時に Terminal が確認ダイアログを出すかどうかを設定します。TRUE を指定すると確認ダイアログを表示し、FALSE で表示しません。デフォルトは TRUE になります。
MiscCursorBlinksTRUE にするとカーソルが点滅します。FALSE にすると点滅しません。デフォルトは FALSE になります。
MiscCursorShapeターミナル上でのカーソルの形状を設定します。TERMINAL_CURSOR_SHAPE_BLOCK (デフォルト)、TERMINAL_CURSOR_SHAPE_IBEAM、または TERMINAL_CURSOR_SHAPE_UNDERLINE が指定できます。このオプションは VTE 0.19.1 以降でコンパイルした場合のみ有効になります。
MiscCycleTabsターミナルタブの切り換えを循環するかどうかを設定します。TRUE を指定するとメニュー (またはそれに割り当てられているキーボードショートカット) から ボタンを使用して、右端のタブから左端のタブに移動したり、同じく メニューから を使って左端から右端へ移れるようになります。このオプションは TRUE (デフォルト) あるいは FALSE のどちらかになります。
MiscDefaultGeometryコマンドラインで --geometry が指定されていない場合、新しい Terminal ウィンドウを開く時にこのジオメトリ (アクティブタブの行数と桁数。デフォルトは 80x24) が使用されます。
MiscInheritGeometry新しいウィンドウがその親ウィンドウのジオメトリを引き継ぐかどうかを設定します。TRUE を指定すると引き継ぎ、FALSE で引き継ぎません。デフォルトは FALSE になります。
MiscMouseAutohideTerminal が、ターミナルウィンドウでキー入力中にマウスポインタを非表示にするかどうかを設定します。TRUE を指定すると非表示になり、FALSE で表示したままになります。デフォルトは FALSE です。
MiscTabCloseButtonsTerminal が、ターミナルタブのタイトルに「閉じる」ボタンも表示するかどうかを設定します。TRUE を指定すると表示し、FALSE で表示しません。デフォルトは TRUE になります。
MiscTabCloseMiddleClickTerminal が、タブタイトル上で中央クリックした時にターミナルタブを閉じるかどうかを設定します。TRUE を指定すると閉じ、FALSE で閉じません。デフォルトは TRUE になります。
MiscTabPositionどこにタブヘッダを表示するかを指定します。これは GTK_POS_TOP (上部、デフォルト)、GTK_POS_LEFT (左側)、GTK_POS_BOTTOM (下部) あるいは GTK_POS_RIGHT (右側) のいずれかになります。GTK_POS_LEFT または GTK_POS_RIGHT を指定すると、タブヘッダは縦に表示されます。GTK_POS_LEFT または GTK_POS_RIGHT 指定時には MiscTabCloseButtons を FALSE にすることをおすすめします。
MiscHighlightUrlsターミナルウィンドウ内で URL — ハイパーリンクおよび E-mail アドレス ― 文字列の高輝度表示を制御します。このオプションを FALSE に指定すると、URL は高輝度表示されず、URL を中央クリックしたときにお気に入りのアプリケーションが呼び出されることはありません。